グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  診療案内 >  その他の診療 >  顔のケガ

顔のケガ


はじめに

 みなさんは顔にケガをした経験がありますか?特にお子さんは活動性が高いため、顔のケガをすることは多いと思います。一言でケガといっても種類は様々ですが、他の場所と違い、顔は整容性が重視されるため、より慎重で専門的な治療が必要です。ここでは、顔の部位ごとに注意するケガの症状と治療について解説します。

眼の周辺のケガ

 眼の周辺のケガで最も注意しないといけないのは眼の機能ですが、眼球や視神経に直接キズがなくても、眼の周囲の骨の骨折(眼窩骨折といいます)によって、複視(ものが二重に見える)が出現することがあります。骨折の中でも、眼を動かす筋肉が骨折部に引っ掛かるタイプでは、吐き気や気分不良といった症状が強く、早期に手術が必要になることがあります。時間がたってから眼が奥に引っ込んだような印象(眼球陥凹)になることもあるため、眼の周囲をケガした場合はレントゲンやCT検査を受けることをおすすめします。また、まぶた周辺をケガした場合は、時間の経過とともにひきつれが強くなり、眼が閉じにくくなることがあります。そのほか、眼の内側のケガでは涙小管と呼ばれる涙の通り道(涙道)を損傷することがあります。そのまま放置した場合は、涙の流れが停滞して流涙をきたすことがあるため、断裂した涙小管を縫合した後に、閉塞を防ぐためのシリコンチューブを留置することがあります。

眼の周囲のケガは眼科・形成外科が活躍する分野です。

鼻のケガ

鼻は顔から最も突出しているため、転倒した際にケガをしやすい部位です。鼻腔から出血している場合は、根元の骨(鼻骨)が骨折していることがあります。鼻骨骨折の整復は受傷後1から2週間以内に行う必要があり、骨折部の偏位が強い場合は鞍鼻(鼻の根元が低くなる)や斜鼻(鼻が左右にずれる)といった外鼻変形が残るため、早期に専門病院でレントゲンやCT検査を受けることをおすすめします。鼻の先端付近には骨はありませんが、皮膚の下には軟骨があり、外鼻の形態を保つ役割を果たしています。軟骨の損傷がある場合はのちに鼻孔の狭窄をきたすことがあり、軟骨移植などの形成術が必要なことがあります。
鼻骨骨折に関しては、受傷直後の場合は耳鼻咽喉科か形成外科、鼻血が止まらない場合は耳鼻咽喉科、受傷から1か月以上経過して変形が残った場合は形成外科で、治療が行われます。

鼻のケガは耳鼻咽喉科・形成外科が活躍する分野です。

頬や顎のケガ

 頬は頬骨と呼ばれる骨の突出があるため、強い衝撃を受けた際にはこの骨が骨折することがあります。通常頬骨骨折は頬を構成する骨が複数箇所で折れるため、骨折後の変形が頬部全体におよびます。受傷直後は頬部の腫れが目立つことから変形がわかりにくいのですが、腫れが引いていくと頬部の突出がなくなり頬が凹んでしまうことがあります。頬骨骨折の整復は受傷後2週間以内に行うことが望ましく、早期に専門病院でCT検査を受けることをおすすめします。骨折の程度や部位によっては、開口制限や複視といった症状を伴うほか、知覚神経に影響がおよぶと頬部から鼻、さらに上口唇までしびれることがあります。変形が目立つ場合、頬のしびれがある場合、口が開かない・かみ合わせが悪いなどの咀嚼にかかわる症状がある場合は、手術整復が検討されます。また、耳の前方には耳下腺と呼ばれる唾液をつくる組織があり、深いキズではこの組織を損傷することがあります。丁寧に修復しないと唾液の排出が悪くなるほか、キズの治りが遅れる場合があります。そのほか、皮下脂肪の挫滅が強い場合はキズあとが陥凹することがありますが、キズあとや陥凹が目立つ場合は、形成外科で後日修正することもできます。

頬や顎のケガは歯科口腔外科・形成外科が活躍する分野です。

耳のケガ

 耳には皮膚のすぐ下に軟骨があるため、浅いキズでも傷口から軟骨が露出することがあります。軟骨の修復が十分にできない場合や軟骨が欠損している場合は、耳の輪郭が崩れてメガネをかけづらくなるなど、生活に支障がでることがあります。軟骨の欠損が大きい場合は、ほかの部位から軟骨を移植する手術もできますが、きれいな形の耳をつくるには熟練した技術を要します。
また、耳をぶつけた直後から聞こえにくくなった、という症状にも注意が必要です。耳が強い力を受けると、鼓膜が破れたり、耳小骨がずれたり、音を感じ取る内耳がダメージをうけて、聞こえにくくなってしまうことがあります。特に、外傷後に耳から血が出てきたときは、耳の奥が傷ついた可能性が高いので、要注意です。

耳のケガは、耳介は形成外科耳の中は耳鼻咽喉科 が活躍する分野です。

当院でできること

顔のケガは、整容面・機能面において、いろいろな科が関わる分野になっています。
当院では、顔のケガの緊急度や重症度を見極め、軽症(浅い傷・擦過傷・打撲)であればその場で手当てを行います。傷が深い場合や、骨折の可能性が否定できない場合は、より慎重な対応が求められるので、適切な科を受診できるよう、総合病院に紹介をいたします。