グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  診療案内 >  アレルギーの診療 >  アレルギー検査

アレルギー検査



アレルギーについて

私たちの体には、外部からウイルスなどの異物が入ってきた際に、抗体を作って異物と戦う「免疫」という機能があります。アレルギーはこの免疫反応が、特定の物質に対して過剰に起こる反応のことをいいます。アレルギーが起こる原因は解明されていませんが、環境要因と遺伝要因など様々な要因があるといわれています。
アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、スギやひのきなどの花粉、食物や薬物、ダニ、ハウスダストなど知られています。アレルゲンに対して、免疫が過剰に反応をおこし、かゆみや、鼻水、咳、時には呼吸困難などの発作的な症状を引き起こします。アレルギーがもとで起こる代表的な疾患には、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹などがあげられます。

アレルギーの原因とリスク要因

アレルギーの原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、以下のような要因が関係していると考えられています。

遺伝的な素因

親や兄弟にアレルギーがある場合、自分もアレルギーになりやすいということがわかっています。遺伝子によって、体内で作られるIgE抗体という物質の量や種類が変わり、アレルゲンに対する反応が強くなる可能性があります。

環境的な要因

現代社会では、空気汚染や化学物質、ストレスなどの影響で、免疫システムが過敏になりやすくなっています。また、衛生的な生活や抗生物質の使用によって、免疫バランスが崩れるためという説もあります。

生活習慣や食事

喫煙や飲酒、睡眠不足や運動不足などの生活習慣は、免疫力を低下させることがあります。また、添加物や農薬などが含まれる食品や飲料を摂取することも、体内で有害物質を増やし、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

当院で施行できるアレルギー検査の種類

①イムノキャップ(20分で結果がわかる簡易的なアレルギー検査)

イムノキャップは、代表的な8種類のアレルゲン(カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、スギ、ヤケヒョウヒダニ、ネコ、イヌ、シラカンバ)を調べることができる検査です。指先から少量の血液を採取します。約20分で結果がわかるアレルギー検査です。採血の時にじっとしていることができない小さなお子様でも検査ができます。イムノキャップは即日結果がわかり、簡便で良いですが、正確性は他の検査に劣る部分があり、判定に迷うこともあります。とりあえず簡単にすぐに結果を知りたいという方や、明らかにスギやダニのアレルギーがありそうで、舌下免疫療法の導入前の検査として行うには良いと考えています。イムノキャップの結果で判定に迷う場合は別の検査を追加でお勧めする場合もあります。
費用 保険適応の検査で、3割負担で概ね3000円程度かかります。(他に診察料が加算されます)
結果がいつわかるか 20分程度(即日)

②RAST(特異的IgE検査)

イムノキャップでは測定できる項目が決められていますが、こちらは検査項目を自由に選ぶことができ、一度の検査で最大13種類までアレルゲンを調べられます。鼻炎や喘息など、吸入アレルゲンの検査目的の場合、スギ、ヒノキ、ハウスダスト、ダニ、ネコ、イヌ、カビなどの13項目をセットで測定することが多いです。普通の採血検査のように、血液を採取して行います。検査機関に検査を依頼するため、結果が出るまでに数日から一週間程度かかります。費用は3割負担の場合、13種類で約3000円となります(最初の1種類が1170円、1項目増やすごとに+330円)
費用 保険適応で、3割負担で最初の1種類1170円、1項目増やすごとに+330円。13項目のセットで3000円程度かかります。(他に診察料が加算されます)
結果がいつわかるか 1週間程度
調べられるアレルゲン 13項目まで自由選択可能  例:モモ、グレープフルーツ、イチゴなどのフルーツやハチなどの昆虫、その他も検査会社に測定項目があるものであれば可能

③View39(39種類のセット)

39種類のアレルゲンを一度に調べることができる検査です。
普通の血液検査のように、血液を採取して行います。

検査機関に検査を依頼するため、結果が出るまでに1週間程度かかります。
費用は3割負担の方で、約6000円となります。
費用 保険適応の検査で、3割負担で6000円程度かかります。
結果がいつわかるか 約1週間

アレルギー採血の注意点

特異的IgE抗体の量は、アレルギー反応の程度と必ずしも一致しないことがあります。
例えば、特異的IgE抗体の量が高くても、アレルギー症状が出ない場合や、逆に低くても、アレルギー症状が出る場合があります。また、特異的IgE抗体は、アレルゲンに対する感作(免疫反応の準備)を示すものであり、必ずしもアレルギー疾患を診断するものではありません。したがって、採血の結果だけでなく、症状や経過などを総合的に判断する必要があります。

偽陽性

特異的IgE抗体は、同じような構造を持つアレルゲンに対しても反応することがあります。これを交差反応といいます。例えば、花粉症の人は、花粉と似た構造を持つ野菜や果物に対しても特異的IgE抗体を持つことがあります。これを花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)といいます。しかし、特異的IgE抗体を持っていても、必ずしもアレルギー症状が出るわけではありません。したがって、採血結果は、実際に食べたり触ったりした時の反応と比較する必要があります。

偽陰性

特異的IgE抗体は、時間や年齢などによって変化することがあります。例えば、幼児期には食物アレルギーが多いですが、成長すると自然に治ることがあります。また、逆に成人期になってから新たにアレルギーを発症することもあります。したがって、採血結果は、あくまでもその時点での反応を示すものであり、将来的な予測や過去の経験と一致しないことがあります。

アレルギーの治療について

薬物治療

鼻のアレルギーに対して鼻噴霧ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬などが使用されます。
重症の方や、即効性を求める方にはステロイドが含まれている内服薬が選択される場合もあります。
アレルギーの薬について

舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法) スギ花粉症・ダニアレルギー

舌下免疫療法は、アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から毎日投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげるという治療です。スギ花粉症とダニアレルギーに対する治療が可能です。5歳以上から開始できます。(お薬を5分間舌下においていられるのが条件です)治療は3~5年 毎日行います。80%くらいの方に効果があるとされています。スギ花粉症に対する舌下免疫療法はスギ花粉の飛散時期中は治療を開始できません。したがって、飛散時期終了後の6月以降が開始時期となります。ダニアレルギーの場合はいつでも開始できます。
舌下免疫療法(シダキュア・ミティキュア)について

手術治療 (※当院では施行しておりません)

レーザー治療、手術治療(下鼻甲介切除術、鼻中隔矯正術、後鼻神経切断術)などが効果的な場合もあります。手術を希望される場合は、総合病院に紹介させていただきます。