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風邪



風邪とは何か?

風邪は、正式には風邪症候群といいます。80~90%はウイルス感染が原因です。主な感染経路は飛沫感染や手指を介した接触感染です。
はなみず、鼻づまり、のどの痛み、咳、熱などの症状を引き起こします。通常は1週間程度で自然に治りますが、症状が強い場合や、治りが悪い場合は、医師の診察を受けたほうが良いです。

耳鼻咽喉科は風邪症状の診察が得意です

①風邪の症状のほとんどは、みみ・はな・のどに集中している

風邪かなあ、と思ったら、どこの科を受診しますか?内科や小児科を受診するかたも多いかと思います。もちろん内科や小児科でもOKですが、実は、耳鼻咽喉科も風邪症状の診察が得意なのです。風邪の症状は、ほとんどがみみ・はな・のどに集中しています。それらの症状を専門として診ているのは耳鼻咽喉科ですので、耳鼻咽喉科は風邪のスペシャリストといえます。

②「耳鼻咽喉科専門医」がきちんと検査、処置を行う

耳鼻咽喉科には、耳の中を覗く顕微鏡、鼻の穴やのどの中を明るく照らすヘッドライト、鼻やのどの奥を覗くためのファイバースコープなど、普通では見えないところを観察するための道具がそろっています。また、多くの症例を経験していますので、風邪なのか風邪以外の病気なのかをいち早く見分けることができます。

③副鼻腔炎や中耳炎など、風邪に続いて起こる病気を治療することができる

初期は風邪であっても、副鼻腔炎や中耳炎を後からおこすことがあります。また、時には急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍など生命に危険が及ぶ合併症もあり、診断にはファイバースコープが必要となります。まさに専門領域ですので適切な診断と治療を行うことができます。

④お子さまの鼻みず吸引ができる

お子さまの風邪で最も多い症状は鼻水です。お子さまは大人のように上手に鼻をかむことができず、解剖学的に鼻腔が小さいため、鼻水が鼻の中にたまりやすいのです。長期間溜まった鼻汁に細菌が感染すると副鼻腔炎や中耳炎になります。ご自宅での吸引も重要ですが、耳鼻咽喉科では専用の機械で奥まで吸引することができますし、必要に応じてネブライザー療法も行うことができます。

風邪の治療

安静、水分・栄養補給により自然に治癒するため基本的には自宅療養となります。風邪は、一般的には自然治癒するものであり、薬でウイルス感染を治療できるわけではありません(インフルエンザなど一部のウイルス感染を除きます)
解熱鎮痛剤、咳止め薬、去痰剤、うがい薬、漢方薬などにより対症療法を行います。

症状が風邪と似ている病気

ただの風邪だと思っても、実は別の病気なこともあります。
以下の病気は、風邪がこじれて起こる病気、風邪と間違えやすい病気です。

中耳炎

中耳炎は、鼓膜の奥の空洞である中耳に炎症が起きる病気です。中耳は耳管という管で鼻の奥の上咽頭とつながっているため、鼻風邪やのど風邪を引くことによって増殖したウイルスや細菌が、耳管を介して中耳に侵入し感染を起こします。特に、子どもは、解剖学的に、中耳炎にかかりやすい構造になっています。

副鼻腔炎(ちくのう症)

副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔の内部に炎症が起こる病気です。症状は、発熱、顔の痛み、鼻づまり、鼻水、痰、咳などです。副鼻腔炎は、慢性化したり、繰り返したりすることがあります。そのため、耳鼻咽喉科できちんと診察を受ける、治療を受けることが大切です。

扁桃炎・扁桃周囲膿瘍

扁桃炎は、扁桃腺がウイルスや細菌感染によって炎症を起こす病気です。のどの痛み、発熱や関節痛などを引き起こします。扁桃炎は、こじれてのどに膿がたまると扁桃周囲膿瘍となり、排膿処置や、点滴の治療、入院治療が必要になることもあります。また、繰り返し扁桃炎を起こす反復性扁桃炎では手術治療が選択されることもあります。扁桃炎・扁桃周囲膿瘍の正確な診断は、耳鼻咽喉科に相談することがおすすめです。

急性喉頭蓋炎

急性喉頭蓋炎は、ウイルスや細菌がのどの奥に感染し、のどの奥の息を吸う穴のまわりが炎症で腫れる病気です。悪化すると呼吸が苦しくなり、死に至る怖い病気です。診断にはファイバースコープでのどの奥をみる必要があります。この病気は耳鼻咽喉科で診察をうけないとみつかりません。入院治療が必要ですので総合病院に紹介します。

肺炎

風邪をきっかけに肺炎を発症することがあります。肺炎は、肺の組織に炎症が生じることで、発熱や咳、息苦しさなどの症状が現れます。高齢者や免疫力の低下した人、基礎疾患を持っている人は、肺炎を発症しやすいため、早期の診断と治療が必要です。
診断には胸部レントゲン写真が必要ですが、当院にはありませんので内科受診をお勧めすることになります。

風邪の予防

かぜはウイルス感染であり、主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。風邪の予防にはうがい、手洗い、マスクの着用が勧められています。

うがい

ポビドンヨードには殺ウイルス作用がありますが、炎症のない口腔内に使用すると常在菌の破壊、正常組織の傷害の可能性があるため、ポビドンヨードによるうがいは予防のためではなく、風邪に罹患したときに行う方が望ましいと考えられます。口腔内には常在菌が生息しており、常在菌は外部から侵入する病原微生物による感染を防御しています。常在菌に影響を与えないようにうがいすることが大切であり、予防目的のうがいには水が適していると考えます。

手洗い

上気道炎に対する手洗い、マスク、手袋、ガウン着用などの実際的な介入について検討した67論文のシステマティックレビューがあります(2011 Cochrane Database Syst Rev)。この中では唯一、手洗いが上気道感染の予防効果がありました。

マスク

風邪は飛沫感染であるため、風邪にかかったときは、他人にうつさないようにマスクをすることが大切です。
また、風邪をひいたとき、マスクを装着することにより、風邪症候群の治癒までの日数や、のどの症状の消退日数が短かったという結果もあります。マスクによる保温、保湿効果は上気道粘膜や扁桃組織に対して、何らかの良い効果があると推察されます。

よくある質問

風邪はどのようにしてうつるのでしょうか?

風邪は、感染した人の咳やくしゃみによって飛沫が放出され、ウイルスの入った飛沫が鼻、口、目の粘膜などに触れることで感染します。(飛沫感染)また、手や物にウイルスが付着し、ウイルスの入った飛沫が鼻、口、目の粘膜などに触れることで感染することもあります(接触感染)

風邪を予防するためにはどのような対策が必要でしょうか?

風邪を予防するためには、手洗いやうがいをしっかりと行うことが重要です。また、人混みの場所や密室の中に長時間いることは避け、十分な栄養と睡眠をとることも大切です。

風邪を引いた場合、どのような治療法がありますか?

風邪の治療法としては、安静にすることや十分な水分補給を行うことが重要です。また、解熱剤や鎮痛剤を使用することで、症状の緩和が図れます。ウイルス性の風邪には抗生物質は風邪には効果がないため、基本的には症状を軽減する対症療法が中心になります。
一方で、細菌感染を併発している場合は抗生物質が有効ですので処方します。

風邪はどのくらいで治りますか?

個人差がありますが、一般的には1週間から10日程度で自然に治ることが多いです。ただし、症状が長引く場合や、症状が強い場合には、別の病気が隠れている場合があるので、きちんと医師の診察を受けることをおすすめします。